【テーマ_薬局継承】薬剤師会活動を介した事例が発生
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薬局経営2026/09/10

【テーマ_薬局継承】薬剤師会活動を介した事例が発生

若手薬剤師の“独立”への1つの道筋にも

ある都道府県薬剤師会で2件ほど、薬剤師会活動を通して役員の薬局を若手薬剤師に継承する事例が発生している。後継者のいない薬局において、地域の薬剤師会活動を継続していく観点からも活動に積極的な若手薬剤師に継承したもの。引き継いだ薬剤師は、地域薬剤師会の役員に就任した。

顔の見える若手に薬局を継承することとした薬剤師会役員の経営者に話を聞くと、「そんなに立派なことかはわからない」と前置きしつつも、「誰かに薬局を譲るなら、顔の見える相手で、地域の医療を継続してくれる相手だったらいいと思っていた」と話す。その“顔の見える”関係性をつくった場が薬剤師会だった。

きっかけは若手薬剤師がスポーツファーマシストに興味があり、活動の場を増やしたいとの思いから、自ら薬剤師会に声をかけたこと。「それなら」と薬剤師会の当該委員会での活動を勧められ、活動。資材作りや関連団体に対する講演調整などを行ってきた。本人はもともとスポーツに熱中してきたが、ケガが元で本格的なプレイヤーとしては継続が困難に。「そうであれば、薬剤師としてプレイヤーを支える活動をしたい」という思いがあった。そんな活動をする傍ら、抱いていた「独立したい」という自身の思いを周囲に話すようになると、人づてに役員まで話が伝わる。「それならウチの薬局を継がないか」と声をかけられた。

“独立”には新規開業もあるため、当初は新規開業をイメージしていた。声をかけられた後に検討した結果、継承の話を受けることにした。理由は継承の方が、リスクが低いとの判断からだった。すでに運営している薬局であれば、患者数や売上などがシミュレーションではなく現実のものをして把握できる。薬剤師会関連の活動を期待されることにも抵抗感はなかった。参加してきた“公的”な活動にもやりがいを感じていたからだ。学校薬剤師としての薬物乱用防止講座では、近隣の子どもたちと触れ合うことができた。行政と連携する公害認定や介護認定などの活動も面白かった。

現在は継承した薬局のIT化推進やOTC薬の取り扱い拡充など、改革を進めている最中という。薬局の建物自体を変えることはなかなか難しくても運営の中身を変えていくことはできる。WEBの強化策はそこから新患獲得につながる事例も出てきた。

この若手薬剤師は今後、薬剤師会に加入する利点の1つとして事業継承をアピールすることも可能なのではないかと話す。調剤報酬改定において新規開局にリスクを伴う方向も出てきており、若手が独立する際に新規開局におけるリスクが生じていることも理由に挙げる。

(出典:株式会社ドラビズon-line発行会員限定媒体「ドラビズforPharmacy」。一部抜粋